金輪継ぎによる柱と土台の補修|古民家修繕の現場から
はじめに
古民家の修繕では、「すべてを新しくする」のではなく、「残すこと」を大切にしています。
今回は、腐食していた柱と土台の一部を、金輪継ぎ(かなわつぎ)という伝統的な継手技法で補修しました。構造を支える重要な部位であると同時に、建物の息遣いを伝える場所でもあります。

土台と柱の接合部が激しく傷み、形を保てない状態でした。
材の選定と刻み
木組みの補修において重要なのは「既存の材との調和」です。
新しい材には木目が美しく粘りのある木を選び、時間と手間をかけて刻みを行います。今回は、差し替える部分にあわせた複雑な継手を作り出しました。


現場での調整と接合
実際の現場では、1ミリの狂いも許されません。
加工した材を仮合わせし、必要に応じて微調整を繰り返します。
金輪継ぎは、金物を使わず、木だけで強度を保つ構造的な継手。技術と経験が問われる場面です。

補修完了後の様子
補修後の柱と土台は、見た目も構造も美しく仕上がりました。
新しい材は時間をかけて徐々に色が馴染んでいき、やがて全体に溶け込んでいきます。
古いものを活かしながら、これからもこの家が長く使われていくことを願っています。

金輪継ぎとは?
金輪継ぎ(かなわつぎ)は、日本の伝統的な継手技法のひとつで、木と木を強固に接合するために使われます。
古民家修繕においては、柱や土台などの構造材の補修に用いられ、見えないところに光る職人の技として今も受け継がれています。
まとめ
大塚工務店では、ただ壊れたところを直すのではなく、建物の記憶とともに修繕することを大切にしています。
金輪継ぎをはじめとする伝統工法の継承と実践を通じて、日本建築の未来を支えていきます。


